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店頭のワープロのように、好き勝手書いて好き勝手放置しておく気楽な場。 踊り子さんには手を触れないようお願いします
【突発】万聖節の夜に
2009年10月31日(土) 22:42
お久しぶりです。うわー、もう一年以上放置してあるよ!!(汗
という訳でハロウィンでこっそり主従ネタを投げてみます。色気などない(断言


 
「ハロウィン?」
「お前は知らなかったわね。簡単に説明すると――そうねえ」
 掻い摘んで概要を語ってみせると、男は細い目を更に細めて首を捻った。
「……つまるところ、彼岸会のこちら版ですのんか?」
「……まあ、そんなところかしらね」
 一度だけ、この従者ではなくその元主――義姉から聞いたことのある、ヒガンエという単語の意味を思い出しながらあいまいに頷く。……確か、彼女の話では「死者が戻ってくるのを迎える」行事であった筈だ。その点だけを取れば間違ってはいる訳ではない。
 もっともよくよく考えれば、状況に対する反応は天地ほどの差がある訳だが。

(*ハロウィンの仮装は死霊・悪魔・魔女といったものを「追い払う」為のものです)

「でも今では只の馬鹿騒ぎの口実みたいなものよ。……真面目に死者を慰めようとする人間なんてごく僅か。大半は仮装と大騒ぎに浮かれ遊ぶ日としか思っていないでしょうし」
「……浮かれる相手も居らん輩は犯罪に走りよる、と」
「忌々しい話だわ」
 ふんと鼻一つ鳴らし、闇を睨む。
 正確にはその内に潜んでいる、邪な考えを持つ輩どもを。
「準備期間はどうあれ、結局はたかが一日程度の祭りよ。その一日に参加出来ない程度で他人を恨むような輩の為に、日々生きて祭りを楽しもうとする善良な民が傷付けられる。……これを許していられるほど、私は安穏と生きてはいない」
「なれば、――どのようになされます?」

 どこか遠い声のまま、従者が問う。
 抑揚もない冷たいそれに、返す言葉はいつでも同じ。同じだ――――

「私と私の民を脅かす有象無象を私は許さない」

 それは本心。
 それは私の内にある意志。
 言葉に出す度に、この体を突き動かす衝動。私という人格ではなくそれより先に形作られた血筋とそれが育んだ歴史が、それを後押しする。
 善を成せ。正義を成せ。悪を屠れ。
 道を、正せ。

「行って勤めを果たしなさい。私の刃」
「御心のままに」

 うすく笑う気配が消えた後、私の頬を夜風が撫でた。
 それが、今まで隣に立っていた男が去った所為なのだと、今更ながらに気付いた。
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