2012年07月08日(日) 16:27
◆2nd DAY
さて食料の確保は出来た。あとは地道に探索するしかなさそうだ。 ちなみにここは、いわゆる孤立都市である。古式ゆかしいおんぼろ長距離バス以外ではヘリか飛行機くらいしか到達手段がない。ついでに言うなら、長距離バスを動かす手段はない。道を知らないし、免許がないし、動かせる燃料のアテもないし、 ――――あそこは今やゾンビの巣だ。 (とはいえ、飛行場の位置も判らないんだよな……) 加えてこちらも免許の類も持ち合わせていない。つまりパイロットを確保する必要もある、と。問題山積みである。 /*/ 「なあ、そこの兄ちゃん(ブラザー)」 ……ぶらぶら歩いていると、そんな声が呼び止めた。ややくたびれたスーツ姿の、四十がらみの男性。つまりおっさんである。 「よかった。あんたは話が通じそうだ。頼みがあるんだが、聞いちゃくれねえか」 おっさんの脱線しまくりの話を纏めると、こうだ。――自分の家に戻って探したいものがあるが、怖くて近寄れないので誰かに一緒に来て欲しい、らしい。 おっさんのこの恐がり方、尋常ではない。ゾンビ多発地帯でも横断するんだろうか。 「なあ、頼むよ! 付き合ってくれや兄ちゃん!」 なんとなく「兄ちゃん(ブラザー)」と連呼されるのが心苦しかったので名前を教えたら、おっさんの行動が更にエスカレートしたのは言うまでもない。 それこそ、土下座せんばかりの勢いになっていた、そんなとき―― 「美女をお譲りしましょうか」 そんな声を掛けられた。 顔立ちと衣装は中華系。喋りは流暢。口元に笑顔。どうやら話を聞かれていたようだ。――いや、あの大声では耳を欹(そばだ)てるも何もあったものではないのだが。 そして中華系の背後には、確かに目の覚めそな美女が居る…… ――――足手纏いになる人間は、減らすべきだ。 「いや、この男に付き合うよ」 声を掛けてきた男は、一瞬、眉をひそめたが、次の瞬間には立ち直っていた。なかなか侮れない御仁のようである。 ……丁寧に一礼して去るその姿に溜息を吐く間もなく、感激したおっさんに抱きつかれたのは本気でどうでもいい余談である。 /*/ ……結論から言うと、おっさんに付き合ったのは正解だった。 おっさんの家というのは場所こそ遠かったが、まだあれこれが生きている区画だったのである。とはいえ、その恩恵が受けられるのも残り僅かだったようだが。 探索というよりは、妻と娘の形見だというあれこれを鞄にしまいこむのを見守る作業。 お礼に、と食料を示されたものの量が多いので断ると、代わりに不思議なアンプルを専用の注射器と共に押し付けられた。曰く、治療薬だという(何の?)。 「まあ、お守りだと思ってくれ。使う時がこない事を祈ってる」 おっさんの家で一晩を明かし、翌日、出会った場所で別れた。 ◇今日のnowmas:【探索】一人では心細いという男。彼に1日付き合う(4のダメージ)か【同行者】を1人譲るなら、お礼に食糧9または治療薬(ゾンビ化しつつある者を元に戻す。使い捨て)を貰える。 http://shindanmaker.com/235938 二日目: HP/食料 96(-4)/98 【バット】・【治療薬】
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